私のカントリー別冊 暮らしのおへそ特別編 おへその旅 出版社 株式会社 主婦と生活社
こんな人にオススメ
- 繰り返す日常の中でもやもやしている人
- 流行りの場所に行くのではなく、心に残る旅がしたい人
- 旅に出たくても、時間やお金がない人
本のご紹介
5日間仕事をこなして、2日間休んで、また仕事に行く。
ご飯を作って、洗濯機を回して、入浴後お風呂を掃除する。
良くも悪くも、同じことの繰り返し。
それが毎日続くと、なんだか心が疲れていく。
このマンネリからちょっと抜け出したい。
いつもと違う環境に身を置きたい。
気分転換に旅行に行こう。
旅行雑誌や旅行サイトを開いて、今話題のスポットや流行りを吟味してみる。
でも、と心が待ったをかける。
旅行に行けば、このもやもや感は晴れるのだろうか。
そこへ行ったら、いつまで続くか分からない答えが見つかるのだろうか。
そもそも、お金も時間も足りない……。
旅行に行く前から、ため息を吐いてしまう。
「旅行」ではなく「旅」をしてみてはどうだろうか。
そこがテレビで紹介されたからとか、インスタで話題になっていたとか
”目的地”に遊びにいくのが「旅行」のイメージ。
そこにある空気感を味わったり、そこまでの過程を楽しむのが「旅」のイメージ。
いつも同じ枠の中で生活しているのなら、
あえて自分の周りにあった世界とは別のものを見に行ってみる。
そこに答えがあるのではないかと本書では語られている。
そして、旅をしたあと、家に帰ってみると
当たり前だった日常が、新鮮な発見で輝きはじめるはず。
新しい扉を開ける旅は、その場で終わることなく
自宅へと「持って帰れる」旅。
「いつも」を変えてくれる旅なのです。
例えば、寝台列車で目的地に向かう旅。
東京から北海道へ向かうには、飛行機なら約1時間半だが、寝台列車だと約14時間かかる。
(尚、2024年現在はこの路線は廃止されている)
でも、寝台列車の速度でないと見えない風景。
列車の中で楽しむちょっとしたデリカッセン。
列車の振動が、自分が目的地へと運ばれているんだと実感させられる。
移動手段ひとつ変わるだけで、旅行から旅へと変わる。
実際にそこにある風景や空気感を味わうのも、旅の醍醐味である。
洞爺湖の雄大さに触れて、複雑になっている思考回路がリセットされる。
奈良の仏像の前に佇むと、本を読むだけでは味わえないリアル感に包まれる。
山登り最中の自分の息遣いや、心臓の鼓動で生きていることを実感する。
どれも頭で知るのと体の五感を使って知るのとではまったく違う。
旅とは遠くに行かなくてはならない。
特別な場所に泊まらなくてはならない。
お金をかけなくてはならない。
そんなことはない。
「旅」はすぐそこにある。
例えば、まだ誰も起きていない朝焼け頃に、うっすらと照らされた近所を散歩してみる。
開店の準備をしているお店。自動車が一台も通っていない道路。すずめのさえずり。
それだけで、見知らぬ土地を訪れたようだ。
県外ではなく、近くの宿に泊まって過ごすのも素敵である。
その時は、ペンとノートを持ち込んでじっくり自分と見つめ合う時間を過ごしてみる。
ネットではなく自分の足で、近所のお気に入りのお店をみつけるのだって旅である。
きらびやかではないかもれないけれど、
「いつも」を変えてくれる旅が、この本の中には詰まっている。
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