北欧こじらせ日記
フィンランド1年生編
著者 週末北欧部 chika
出版社 世界文化社
こんな人にオススメ
- 自分の今の働き方に悩んでいる
- 働くことを前向きに捉えたい
- フィンランドでの暮らしに興味がある
本のご紹介
お金をもらう以上、仕事が大変なことは当たり前。
こなさなくてはならないノルマを示されるけれど
これをこなしてもまた同じことが続いていくのなら
がんばる意味ってなんだっけ。
いっそのこと深く考えずに仕事をこなせれば、楽なのかもしれない。
だけど、じゃあ、何も感じないのであれば、何のために生きているんだっけ。
残業が続くとここまでこじらせてしまう日がある。
今回、紹介するのは北欧好きをこじらせた元会社員のChikaさんの描くコミックエッセイ。
心がほんわかする絵柄で描かれているので、疲れた頭でも読みやすい。
むしろ、このイラストが疲れた心にじんわり沁みる。
Chikaさんは二十歳の時に一人で初めて訪れたフィンランドに一目ぼれした。
北欧には住めなくても自分らしく北欧を楽しもうということで
「週末北欧部」というブログを始める。
平日は会社員として働きつつ、週末は北欧食器バイヤーやカフェ修行をする日々。
そんな経験を経て、やがてフィンランドで働くことを決意。
海外就業に強い寿司職人の道を見出し、寿司学校で3年間修業を続けた結果、
フィンランドのお寿司屋さんから内定をもらう。
憧れのフィンランドで暮らし始めるところから本書は始まるのだが、
終盤、なんとChikaさんの働くレストランが倒産してしまう。
それでも、自分なりの働き方を一生懸命に考え続けるChikaさんに元気をもらえる。
フィンランド移住前…
きっと、
予想もできないことが
起こるだろうと
覚悟していた。
そして、そんな未来も
”生きている”という
手応えに変えて
いきたいと思っていた。
生きてるって…
手応え感じるなァ…
再び履歴書を書きながら、そんなことを思うChikaさん。
その一言が、諦めることでリスクを避けている自分にとても突き刺さった。
Chikaさんが北欧で暮らしていく中での自問自答が
自分の日々の生き方を見つめ直させてくれる。
例えば、もっとのびのび生きたいと、フィンランドに訪れる度に思っていたはずなのに
実際に過ごしてみると、日本で働いていた時と同じように頑張りすぎてしまう。
夢の場所に来たから自動的に理想の暮らしが手に入るわけではなく
理想の暮らしは自分自身で作るものだとChikaさんは自覚する。
これは自分にも当てはめられることで
苦しい時は環境のせいにしたり、環境さえ変われば
状況がすべて解決すると思い込んでしまうときがある。
でも、実際は環境よりも自分の考え方や選択が影響していることも多くある。
まずは、今、自分がこの場でどう過ごしていきたいのか
どんな風に生きていきたいのか
考えるきっかけになる。
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