自分の気持ちを整えるために、エッセイを読む

店主のひとり言
あふれる日々を、ととのえる。
著者 石村由紀子
出版社 PHP研究所

こんな人にオススメ

  • こころを整えるように本を読みたい
  • インテリアやご飯が好き
  • 写真がたくさん掲載されているので、最後まで読みやすい

本のご紹介

心を落ち着かせるために本を読む。

店主が読書を好きな理由のひとつ。

気持ちをフラットにさせるのなら、物語のような感情の起伏が激しいものは避けたい。

自己啓発本もなんか違う。漫画もいいけど、文章が読みたい。

そんなときにはエッセイを選ぶ。

エッセイの中でも淡々と、だけど風がすっと通り抜けるようなおだやかなものが読みたい。

今回ご紹介する本は、そんな心が平静になれる本。

奈良県でくるみの木という雑貨屋を開いた女性オーナーが書いている。

 

ちなみに店主は、こちらの作者がプロデュースされた奈良とは別のお店に行ったことがある。

雑貨屋とカフェが併設されており、食料品も取り扱っている。

お店で売られている雑貨は勿論、店内を飾るインテリアも庭木もそこにあるだけで心が安らぐ。

お店の空気感や雰囲気が、とても居心地がいい。

隣接されたカフェで出されたご飯は

季節感に合わせた素材の味がそれぞれ引き立っていて、店主の胃袋を虜にした。

ここのご飯はいつ頂いても美味しく、身体も心も多幸感に包まれる。

 

そんなお店の雰囲気が、この本の文章や写真にもぎゅっと詰め込まれている。

そこに写る食べものも、まるでインテリアのように魅せる力がある。

魅せ方が上手いのか、調理が上手いのか、センスがよいのか。

たぶん、全部、そろっているからだろう。

ああ、こういう雰囲気が自分は好きだな。

食べることは好きだけど、大切にもしたいな。

と、自分の大事なものを再確認できた。

 

70代を迎えようとする著者の人付き合いの距離感も素敵だった。

 愚痴と噂話を戒めて、相手に楽しい話題をどれだけ提供できるかに心を砕きます。そうすれば、お互いに長い年月大変だったけれど、楽しかった。まだもう少し頑張れそう。ああ、またお目にかかりたい。そんな豊かな気持ちにさせてくれます。

せっかく大事な友人といるのだから、ネガティブな話より楽しい話題を選択したい。

会ってお話したあと、ポジティブな気分になれるように。

そんな風に年齢を重ねていきたい。

そんな風に人とのご縁を大切にしたい。

 

ちなみに店主はこの本を、前回紹介したこんぶの佃煮を炊きながら読んだ。

火加減を見つつ、煮炊きの音だけする世界で本を読む。

自分にとっての至福のひと時とは、こういうこと。

毎日は真似できないけれど、ちょっと参考にするだけでも十分心が整った。

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